「You’re Beautiful」を聴くあなたと青い目の男性

「You’re Beautiful」は、ジェームス・ブラントが2004年に発表した代表曲であり、 一瞬の出会いと叶わない恋を描いた、切なさにすべてを振り切ったラブソングです。 舞台は地下鉄の車内。 ほんの一瞬だけ交わった視線。そのわずかな数秒で、語り手は彼女に恋をしてしまいます。 しかし彼女にはすでに恋人がいて、その出会いが続きを持つことはありません。 名前も知らない、二度と会えない相手。それでも、「君は美しい」という 感情だけが心に焼き付いて離れず、静かに残り続けます。 この曲は、始まることすら許されなかった恋を、感情を大げさに誇張することなく、 淡々と、そして痛いほど正直に描いた一曲です。 何も起こらなかったはずの一瞬が、実は人生の中で確かに輝いていたのだということを、 そっと思い出させてくれます。 静かなアコースティックギターの音色に乗って、優しく、どこか震えるような 歌声が流れます。 派手に盛り上がることはないのに、感情だけがじわじわと胸の奥に刺さってくる、 そんな構成の曲です。 一見するとロマンチックに聞こえるものの、その実、曲全体に漂っているのは、 強い孤独感と、報われなさを孕んだトーンです。 実際にこの曲について、ジェームス・ブラント本人は「必ずしもハッピーな ラブソングじゃない」と語っています。 そこには、理想化しすぎる気持ちや執着、現実から目を逸らそうとする危うさが 織り込まれていて、甘さの裏に確かな痛みが存在していることがわかります。 メロディは甘いけれども、中身はビターです。 誰の人生にも起こり得る「一生に一度のすれ違い」を、そっと切り取ったような一曲です。 ちなみに、この曲は、アルバム Back to Bedlam に収録されています。 たしかに「You’re Beautiful」は、タイトルやメロディだけを拾えば、「純愛」や 「ロマンチックなラブソング」として受け取られ、消費されがちな曲です。

あなたの今に重ねて聴いてみると、 その意味合いは違って見えてきます。 青い目の男性には、現実には、守るべき関係があり、戻る場所も決まっています。 けれども、あなたは、心のどこかで、あの「一瞬の視線」や、存在しなかったはずの「可能性」を、 何度も反芻してしまうのです。今、青い目の男性にとっても、あなたにとっても、良い方向に進めばと、それだけを考えられるあなたの立ち位置は、踏み出さなければ、何も起きないと分かっているからこそ、お互い傷つくリスクもなく、 安全な距離で、美しい思い出を味わうことができるのです。 この曲は憧れでも希望でもありません。 むしろこれは、静かな確認作業なのです。 「私はもう、青い目の男性には戻らない。戻れない。」という事実を、あなた自身に 言い聞かせるための。

残酷なのは、あなたは、失敗していないし、本当の意味では、拒絶もされていないことです。
壊れた関係でもありません。
だからこそ、永遠に完璧なまま美しい思い出として保存されてしまいます。
今、「しまいます、」とするのは、まだ、この伝言が始まりだからです。

是非、最後まで読んで下さい。

現実の恋は、触れた瞬間に摩耗しますし、生活や時間や選択に晒されます。
でもこの曲の中の恋は、地下鉄の数秒間に閉じ込められていて、
老いもしないし、裏切りもしません。

「You’re Beautiful」をリピートしているあなたは、自分の感情を美化しようと
しているのではなく、感情に名前が付く瞬間を、無意識に避ける嗅覚が鋭いのです。

ちゃんと終わらせなかった関係は、
終わらなかった恋じゃなくて、
いつでも再生できてしまう記憶になります。

あなたが揺れているのは、青い目の男性の元に戻りたいからではなく、
愛されたいからでも、青い目の男性を奪いたいからでもなく、

「急に残されてしまったこと」と
「それでも今の人生を、しっかりと進めている自分」
その二つを同時に成立させたいからだと思います。

でもこの曲の中の恋は、地下鉄の数秒間に閉じ込められていて、
老いもしないし、裏切りもしません。
行動しない男の歌でもあります。
進まない物語であり、心の中だけで完結する恋です。

現実に青い目の男性と再会すれば、誰かが傷つきます。
二人の関係性に、ネガティブな名前が付くことになります。
新しい責任が生まれます。

あなたが、弱いわけでは、ありません。
むしろ、現実を意識出来ているからこそ、夢の入口で立ち止まっているのです。

今、無意識にあなた自身を守るためのポイントを過ぎて、意識的に心の揺れを
止めるために、本当は理解していることを自覚する前に距離を取ろうとしていました。
理解=決断=何かを失う、という仕組みの辛さをあなたは、知っているのです。
あなたが、気づかずに美しい思い出として触れていられるのに、ぎりぎりの温度を
保とうとしているのに、青い目の男性は、再び連絡をしてきたのです。

本当の意味で理解してしまえば、あなたが揺れている理由は、青い目の男性ではなく、
自分の中の未処理の部分だと分かってしまうからです。
そして、もう、以前から、そのことを、私に伝えてくれていました。

そのためのタロットでした。
ところが、現実に、青い目の男性が、連絡をしてきました。
あなたが切ない感情に溺れる前に、自分の気持ちを何とか回収しようとしているのにです。
あなたは、自分が何を失うか、誰を裏切るか、どんな後悔を一生抱えるか
全部、想像できてしまうのです。
これは逃げでは、ありません。
あなたが、壊れないためです。
言い方を変えれば、それだけ、とても辛かったのです。

あなたは、実はとても強い女性です。
強いから、理解することを選ばないのです。
それは弱さではなくて、自分を生き延びさせる知性です。

あなたは、適切な時期に、いつか理解してしまうはずでした。
そしてその瞬間、静かに「You’re Beautiful」を聴かなくなるはずでした。

何もドラマは起きない。
誰にもこの揺れている気持ちを言わない。
ただプレイリストから消えるだけでした。

ところが、突然、青い目の男性が連絡をしてきたのです。
この連絡で、もう美しい思い出を見つめる側ではなくて、 誰かの人生をかき乱す側に
立ってしまいました。
この曲は、何も壊さない、何も奪わない、ただ一瞬で終わります。
連絡が来るまでは、苦しくても「美しい思い出」でした。
しかし、このことを理解して動き出せば、自分が美しい存在ではなく、
知らない誰かの選択を試している立場だと直視しなくては、いけなくなります。
今揺れているのは、過去の美しい思い出や、その時のあなたの真剣な気持ちを
これからも肯定出来るか、どうかの瀬戸際だからです。
いきなり、見知らぬ女性の現実を揺さぶる側に立たされてしまった。

今の青い目の男性は、「あなたを選ばなかった過去」であり、同時に
「まだあなたを選びうる存在」でもあります。

「You’re Beautiful」は、何も試さない、何も要求しない、相手の人生に触れない、
だから安全なのです。
この美しさは一方通行で、責任が発生しません。

でも、あなたが応じれば、誰かが裏切られ、誰かは選択を迫られ、何かは確実に壊れます。
そして何より、「あなた自身が望むような純粋な存在」ではないと確定してしまいます。

それは、あなたにとって
「ロマンじゃない」
「無垢じゃない」
「誰かの人生に介入している」
それを全部、引き受けないといけなくなります。

「今は、まだ、美しい思い出の範囲」なのです。

あなたは、自分自身を賭けて誰かを愛せる美しい存在です。
試す人・揺らす人・選ばせる人になることを魂が拒否しています。

今揺れているのは、当時のあなたの真剣さを賭けた愛では、ないかもしれません。

「青い目の男性が選ばなかった私を、あなたは、何故、欲しがるの?」
ということかも知れません。

この確認が取れた瞬間、あなたは、少しだけ救われて、でも同時に、
誰かを傷つける側になります。
だからこそ、あなたは、無意識に、この曲を聴くのかもしれません。
何も壊さない物語を。
あなたが、真剣に青い目の男性に向き合っていた彼女だった頃の思い出を。

あなたは、「理解していないのでは、ありません」「滅茶苦茶、理解しています」。
だからこそ、この曲をリピートしていると読みます。
揺れているのは愛情よりも、 選ばれていた頃の美しい思い出、その頃への未練、
あなたに黙って結婚した青い目の男性の誘いで揺れるのは、 関係の再燃ではなく、
美しい思い出の価値の再確認だと読みます。
そして何よりも、重要なのは、あなたは、まだ「選択」をしていないことです。
先延ばししています。
だからこそ、まだ、自分を善良な位置に置いていられるのです。
大事なのは、あなたが、曖昧だから揺れているんじゃない、という点です。
揺れているように見える状態を、意図的に維持しているのです。

それは、美しい思い出を守るためです。
青い目の男性に真剣に向き合っていた頃のあなたが嘘では、ないからです。
あなたは、最初から、きっぱりと「他の女性と結婚した青い目の男性には、用はない」
と私に伝えていました。

あなたが、欲しいのは、今の青い目の男性では、ないのです。
「かつての私は、間違っていなかった」という事実です。

黙って結婚した青い目の男性の誘いは、
再び関係を始めるための扉ではなく、鏡なのです。

「まだ私を求めるのか?私は、青い目の男性にとって、本当に、
価値を失っていないのか?」
「結婚の選択は、青い目の男性にとって完全ではなかったのか?」

それらを映してくれる鏡です。

だから「再燃」ではないですし、
本気で踏み込む気もありません。
踏み込んだ瞬間、
確認は「行動」になり、
美しい思い出は、「責任」になるからです。

これが一番、危うくて、一番人間的です。

選択していない限り、誰も完全には裏切っていません。
あなたも汚れません。
どちらの可能性も残ります。

だから、あなたは、自分自身を理解させては、いけないのです。
だからこそ、私が代わりに、長い言葉を編んでいます。
理解=選択の開始だからです。

あなたは、あなたの魂に相応しい選択しかしません。

何も決めなくていい物語。
何も壊さない語り手。
何も奪わない美しさ。

それを反復することで、あなたは、「まだ決めていない自分」を保存できます。

これが、美しい思い出です。

青い目の男性が、あなたの知らない女性と結婚した後に
あなたに何度も連絡をするという事実を主語に据えると、
先延ばしされた選択になりますが、いつか必ず、あなたが、
青い目の男性を選ばなかったことに変わります。

あなたの人生の主役は、あなた自身です。
揺れながら表舞台に立つ憧れの女性に憧れるあなた自身です。
あなたの「美しい思い出にしたいです」という言葉の本質は、

「わたしは、 選ばれる側でい続けたいのか、 選ぶ側として生きたいのか?」
ということです。
もっと言えば、「誰を愛するか」でも「誰といるべきか」でもなく、
あなたがどの立場に居続けたら、これから先ずっと後悔しないのか?
という問いです。
だからこそ、虐待されても、働きながらでも、医師になったあなたが、
今、いるのです。
そういうあなただからこそ、青い目の男性のことは、美しい思い出で
あって欲しいと望むのです。

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